26日付英エコノミスト誌に、「空の境界線」と題する中国女性に関する文章が掲載された。大手グローバル広告企業の中国事務所で働く周さん(女性)は、働き始めて8年、一度も昇給がなかった。周さんは、もし自分が白人男性だったら、もっとよい待遇を受けてきただろうと恨めしく思っていた。それでも周さんは仕事をやめようとはしなかった。なぜなら、その会社は中国では大変有名で、彼女自身も会社から多くものを学べるからだった。その後、彼女は、ついに、その会社で学ぶものは全て学んだと見切りをつけ、別の欧米系広告企業に転職した。彼女は今、転職した会社の大中華区CEOを担当している。周さんは「中国には、女性にとってチャンスはたくさんあります。しかし、あるビジネスの分野では、まだまだ男性の方が有利であることは、まぎれもない事実です」と話した。
中国の女性は、中国総人口の49%を占め、中国労働力人口の46%を占めている。労働力人口で女性が占める割合は、多くの欧米諸国より高い。これは、故・毛沢東主席が、女性は資源であるとし、女性の社会進出を奨励したことと関係が深い。毛主席は、「女性は天の半分を支える」という有名な言葉を残した。中国は、他の東南アジア諸国と比べ、女性に対して進んだ見方を持つ国家の一つだ。
故郷の農村を離れて経済の発展した沿岸部の大都市で働く若い女性が、ここ数年激増している。彼女らは、両親が想像もつかないような額のお金を稼ぐ。国内外の大学に多数の女性が押し寄せ、新卒者の数は、今では男性とほぼ変わらない。競争の熾烈な中国教育システムをくぐり抜け、彼女らはその先のキャリアという階段も昇り続ける気だ。企業のエグゼクティブレベルを占める女性の割合を見ると、中国は多くの欧米国家と比べ高い。しかし、彼女らが差別を受ける機会も多い。
これらのアグレッシブな中国人女性は、仕事に超多忙で、子供をどうやって産み育てるのか想像し難いが、実際には多くの人が仕事と出産・育児を立派に両立している。彼女らは産前産後の有給休暇を3カ月取得できるが、多くの人は休暇が終わるとすぐに職場復帰している。中国人女性は、欧米女性より子育てにおいて優位な点がある。子供の面倒を自分の両親に任せることができるのだ。中国女性の多くは、子供を一人しか産まない。これは、一人っ子政策によるだけではなく、2人目を養育する時間的余裕やパワーが残っていないことによる。
妻が仕事を持っているかどうかに関わらず、多くの中国人男性は、妻が家の面倒を見ることを期待している。この期待が、中国人女性の日々の生活をよりハードにする原因となっている。この考え方は非常に根強く、すぐに変化することはないだろう。多くの中国男性は、妻が自分より多く稼ぐことを受入れ難く、万が一、夫婦どちらか一方のキャリアを犠牲にしなければならなくなった場合、仕事を捨てるのは大抵妻の方だ。成功を極めた女性が伴侶を得るのは、つくづく難しい。(編集KM)
「人民網日本語版」2011年11月29日
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